
結論から言うと、BtoBマーケティングの立ち上げから90日で目指すべきなのは、受注を必ず増やすことではありません。経営目標から逆算した顧客像とKPIを定め、営業と共通の定義で小さく施策を実行し、次の四半期に続ける施策・止める施策を判断できる状態をつくることです。
広告、SEO、MAを同時に始めると、何が商談に貢献したのか分からなくなります。90日を「現状診断と定義」「最小構成での実行」「検証と次の計画」に分けて進めます。
90日ロードマップは、施策の一覧ではなく、意思決定の順番を決める計画です。「どの顧客の、どの課題を、どの営業プロセスで解決するか」を先にそろえます。
90日後は、優先顧客と課題、流入・問い合わせ状況、営業へ渡す条件と期限、1〜2施策の結果を把握できる状態を目指します。検討期間が長い商材では、受注ではなく適合リードや商談創出の兆候を確認します。
経営者または営業責任者に、今期の売上、重点商材、必要な商談、営業が追う業界を確認します。売上目標から必要受注数、商談数、有効リード数へ逆算します。自社データがない段階で、業界標準の数値をそのまま当てはめるのは避けます。
優先顧客は、業界、企業規模、困っている業務、導入時期など営業が確認できる項目で仮置きします。全業界を対象にせず、継続率が高い顧客、紹介が生まれた顧客、失注理由が明確な顧客を手がかりにします。
BtoBマーケティング戦略の立て方を確認する
最初の30日間は制作より情報収集を優先します。既存顧客、失注案件、営業担当者に聞き、「導入前の不安」「比較対象」「決裁者」を整理します。商談メモや提案書も読み返します。
Webサイト、流入、問い合わせ、商談化、営業対応を一覧化します。数字が欠けていても、欠測項目が分かれば立ち上げ期の成果です。
成果物は、顧客課題の仮説、優先セグメント、現状ファネル、計測項目、営業連携の論点です。営業と共有して修正します。

31日目以降は、優先チャネルと主要コンテンツを一つずつ選びます。検索ニーズが明確なら課題別ページ、既存顧客との接点が強いなら導入事例、営業提案の補助なら比較表やFAQから着手します。顧客が使うか、継続できるか、反応を測れるかで判断します。
コンテンツは会社紹介ではなく、顧客が社内で説明できる情報にします。課題、対象企業、選定基準を明確にし、相談への導線を置きます。公開前に営業へ見せましょう。
流入元、反応、企業情報、引き渡し日、対応結果を一つの表または既存のCRM・SFAで管理します。ツール導入前に定義と担当を決めます。
| 項目 | 立ち上げ期の決め方 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 有効リード | 優先業界・企業規模・課題のいずれかを満たす接点 | ただの閲覧者と区別できるか |
| 営業へ渡す条件 | 課題が明確、相談意向がある、対象条件に合うなど | 営業が確認できる情報か |
| フォロー期限 | 問い合わせ内容と緊急度に応じて社内で合意 | 期限超過を把握できるか |
| 商談 | 営業が案件として進めると判断した状態 | 受注見込みと混同していないか |
61〜90日目は、施策の反応を営業成果とつなげて振り返ります。アクセスや資料ダウンロードが増えても、対象外企業ばかりなら優先度は上がりません。一方、件数が少なくても、優先顧客から相談が入り、営業が有意義な会話をできたなら継続候補になります。
週次では流入、反応、営業フォローの滞留を確認し、月次では有効リード、商談化、案件の進展を見ます。90日終了時には、施策ごとに「継続」「改善して継続」「停止」「追加検証」を決めます。判断理由を記録し、次の四半期に何を増やし、何をやめるかを1枚にまとめてください。

マーケティングと営業の対立は、リードの定義違いから生じます。リードを渡す条件、必要情報、フォロー期限、対応結果の戻し方を決めます。資料ダウンロードだけの人をすぐ商談扱いにせず、対象条件と相談内容を確認してから渡します。
営業からは受注・失注・保留の理由を選択式で返してもらい、月1回見直します。マーケティング組織の役割分担を確認する
第一に、目的が曖昧なまま複数のチャネルへ広げないことです。第二に、ツール導入を成果とみなさないことです。MAやCRMは便利ですが、入力項目、責任者、営業の利用場面が決まっていなければデータが蓄積されません。第三に、アクセス数やリード数だけで担当者を評価しないことです。事業との適合、商談化、案件進展まで見なければ、質の低い獲得を増やす恐れがあります。
また、90日で完成版のブランドサイトや大量の記事を作ろうとしないでください。仮説検証に必要な最低限を公開し、反応と営業の声をもとに直す方が、限られた予算を有効に使えます。外部へ制作や広告運用を委託する場合も、顧客理解、訴求の最終判断、成果基準、データの所有権は社内に残します。
| 期間 | やること | 完了の目安 | やらないこと |
|---|---|---|---|
| 1〜30日 | 顧客・失注・営業ヒアリング、データ棚卸し、目標と定義の合意 | 優先顧客と現状課題を説明できる | 施策を同時に大量開始する |
| 31〜60日 | 優先チャネルとコンテンツを小さく実行、計測を開始 | 反応と営業対応を追える | ツール導入だけで安心する |
| 61〜90日 | KPIと営業フィードバックを検証、次四半期を計画 | 継続・改善・停止を判断できる | 短期の数字だけで結論を出す |
各期間の担当者と期限をカレンダーに置きます。一人担当なら作業時間を先に確保し、制作・デザインなど切り出しやすい業務だけ外部化します。営業や経営者との定例をなくさないことが実行の鍵です。
BtoBマーケティングの90日ロードマップは、初月に顧客と目標を定義し、2か月目に施策を小さく試し、3か月目に営業成果とのつながりを判断する流れです。成功を急いで施策を増やすのではなく、共通定義、計測、営業フィードバックを先に整えることで、次の投資判断がしやすくなります。
まずは今週、営業担当者へのヒアリング日程を決め、既存顧客と失注案件を3件ずつ選びましょう。BtoBマーケティングの顧客理解を深める
AXISでは、限られた人員でも実行できるBtoBマーケティングの設計から、営業連携・改善までを支援しています。自社の90日計画を具体化したい方は、お気軽にご相談ください。