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LinkedIn広告の始め方|BtoBで狙った企業・役職に届ける設定と費用

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田崎 龍里(株式会社Rule 代表取締役)
2026.10.29
LinkedIn広告の始め方|BtoBで狙った企業・役職に届ける設定と費用

LinkedIn広告は、企業名・役職・職務レベルといったビジネス上の属性で配信先を指定できる広告です。狙う企業を先に決めて働きかけるABM(アカウントベースドマーケティング)と相性がよく、BtoBで「この会社のこの役職に届けたい」ときに使えます。この記事では、LinkedIn広告でできること、配信先の絞り込み方、広告の種類と費用の決まり方、始め方の手順、日本で使うときの注意点を整理します。

ABMの全体像はABMとは?BtoBで狙う企業を絞って商談をつくる進め方で解説しています。

LinkedIn広告でできること

LinkedInは、仕事上のプロフィール(勤務先、役職、スキルなど)を登録して使うビジネス向けSNSです。LinkedInは、世界で10億人以上のプロフェッショナルが利用していると公表しています(LinkedIn Marketing Solutions)。日本の利用者は、NapoleonCatの推計で2026年9月時点で約621万人です(NapoleonCat)。

広告は、こうしたプロフィール情報をもとに配信先を絞れます。検索広告のように「探している人」を待つのではなく、狙った企業や役職の人に、検討を始める前から接点をつくれるのが特徴です。

企業名・役職で配信先を絞る

LinkedIn広告の配信先は、場所(必須)、プロフィール言語、会社や役職などの属性、手持ちのリストを組み合わせて設定します(LinkedInヘルプ「LinkedIn広告のターゲットオプションについて」)。配信先は、下の図のように条件を重ねて絞り込みます。

LinkedIn広告の配信先の絞り込み方
地域と言語は必須。会社と人の条件を重ねて、狙う相手に絞る

BtoBでよく使う条件は次のとおりです。

分類 主な条件 BtoBでの使い方
会社 会社名、業種、会社規模、会社の成長率、企業収益 狙う企業や企業規模を指定する
職務経験 役職、職務タイプ、職務レベル、スキル、経験年数 決裁者や利用部門の責任者に絞る
学歴・統計データ 学位、専攻、年齢、性別 BtoBではあまり使わない
手持ちのリスト・反応履歴 会社リスト、連絡先リスト、サイト訪問者、広告に反応した人 ABMの企業リストで配信する、反応した人にもう一度届ける

会社リストでABMの対象企業に配信する

ABMで特に使えるのが、企業リストをアップロードして配信先にする「会社リストターゲティング」です。主な条件は次のとおりです(LinkedInヘルプ「キャンペーンマネージャーの会社リストターゲティングについて」)。

  • リストは300行以上が必要で、上限は20MBまたは300,000社
  • LinkedInが推奨するリストの規模は1,000社以上
  • 会社名に加え、ウェブサイト、メールドメイン、LinkedIn会社ページのURLを入れると、LinkedIn上の会社と照合しやすくなる
  • 配信対象の作成には最大48時間ほどかかる
  • 広告に使うには、リストと照合できたLinkedInの利用者が300人以上必要
  • 作成後90日以内に広告セットで使わないと期限切れになる

会社リストを選んだうえで、職務タイプや職務レベルを組み合わせると、「対象企業の部長以上」のように絞り込めます。ただし絞りすぎると配信できません。配信対象は300人以上が必要です(同上「ターゲットオプション」)。LinkedInは、シングル画像広告とテキスト広告では5万人以上、メッセージ広告では1万5,000人以上の配信対象を目安として挙げています(LinkedIn Marketing Solutions「Audience」)。

LinkedIn広告の種類

LinkedIn広告は、大きく4つの形式があります(LinkedIn Marketing Solutions)。

形式 表示される場所 BtoBでの使いどころ
スポンサードコンテンツ フィード(シングル画像、動画、カルーセル、ドキュメントなど) 資料や事例を見せて認知と関心をつくる
スポンサードメッセージ LinkedInのメッセージ セミナー招待や個別の案内
テキスト広告 デスクトップ版の画面の端 少額でクリックを集める
ダイナミック広告 デスクトップ版の画面の端(閲覧者のプロフィール情報を反映) フォロワー獲得や個別感のある訴求

リード獲得には、広告から開く「リード獲得フォーム」が使えます。広告をクリックした人のプロフィール情報がフォームに自動で入るため、入力の手間が少なく済みます(LinkedIn Marketing Solutions「Lead generation」)。

費用の決まり方

LinkedIn広告の費用は、オークションで決まります。キャンペーンの目的と入札方法の組み合わせで、表示やクリックなど何に課金されるかが決まり、同じ配信先を狙う他の広告主との競争で単価が変わります(LinkedInヘルプ「LinkedInの広告費と価格設定について」)。

LinkedIn広告の費用が決まる仕組み
入札方法と広告の関連性で、オークションの結果と支払う金額が決まる

入札方法は「配信の最大化(自動入札)」「手動入札」「単価上限(1件の成果に払ってよい上限額を決める)」の3つです。

広告の関連性(クリック率や、コメント・いいね・シェアの数)が高いほど、支払う金額は低くなるとされています(同上)。

予算は「1日の予算」「通算予算」、またはその両方で設定します。1日の予算は特定の日に最大100%上振れすることがありますが、終了日のない連続配信では週の支出が1日の予算の7倍を超えないように調整されます。通算予算には期間に応じた最小額があり、少なすぎるとキャンペーンマネージャーで表示されます(LinkedInヘルプ「キャンペーンと広告セットの予算について」)。

LinkedIn広告の始め方

LinkedIn広告を始める7つの手順
会社ページと計測タグを先に整えてから配信を設定する
  1. LinkedIn会社ページを用意する:スポンサードコンテンツは会社ページから配信します。ロゴと会社概要を整えておきます。
  2. キャンペーンマネージャーで広告アカウントを作る:通貨と支払い方法を設定します。
  3. 計測タグ(Insightタグ)を設置する:自社サイトにタグを入れると、サイト訪問者への再配信や、問い合わせなどの成果の計測ができます。
  4. 目的を選ぶ:認知、サイト訪問、リード獲得など、広告の目的を選びます。目的によって課金のされ方が変わります。
  5. 配信先を設定する:場所とプロフィール言語を選び、会社リストや役職・職務レベルで絞ります。
  6. 広告の形式と画像・文面を用意する:シングル画像や動画、ドキュメント広告など、目的に合う形式を選びます。
  7. 予算と入札方法を決めて配信する:最初は配信の最大化で始め、成果が見えてから手動入札や単価上限を試します。

ABMでの使い方

ABMでは、Tier(優先度)ごとにLinkedIn広告の役割を変えると無駄が減ります。

Tier LinkedIn広告の使い方
Tier A(1対1) 営業の個別アプローチの前後に、対象企業の決裁者・利用部門へ事例や資料を見せて認知を補う
Tier B(1対少数) 業界ごとの会社リストに、業界別の事例資料やセミナーを案内する
Tier C(1対多) 狙う条件に合う企業のリストに、ホワイトペーパーやリード獲得フォームで接点をつくる

会社リストには300行以上が必要なため、Tier Aの数社だけでは会社リストを作れません。Tier Aは会社名の指定と営業の個別アプローチで補い、会社リストはTier B・Cの企業をまとめて使うのが現実的です。Tierの分け方はTier設計とは?で解説しています。

日本で使うときの注意点

  • 利用者がまだ少ない:日本の利用者は約621万人(2026年9月、NapoleonCat推計)で、業種や職種によっては登録が少なく、会社リストと照合できる企業数や配信量が伸びないことがあります。配信前に配信対象の人数を必ず確認します。
  • プロフィール言語の選び方:英語を選ぶと、プロフィールの言語に関係なく対象地域の利用者全員が対象になります。日本語を選ぶと日本語プロフィールの利用者に絞られます(スポンサードメッセージは選んだ言語の利用者のみ)。
  • 他の広告と組み合わせる:LinkedIn広告だけで日本の対象企業を網羅するのは難しいため、検索広告やほかのSNS広告と組み合わせます。BtoB広告の全体像はBtoB広告の始め方をご覧ください。

よくある質問

LinkedIn広告は少額からでも出せますか?

出せます。予算は1日の予算か通算予算で設定でき、通算予算には期間に応じた最小額があります。必要な最小額はキャンペーンマネージャーで設定するときに表示されます。

特定の企業だけに広告を出せますか?

出せます。企業リストをアップロードする会社リストターゲティングを使います。リストは300行以上が必要で、LinkedInは1,000社以上を推奨しています。

日本企業の担当者にも届きますか?

届きます。ただし日本の利用者は他国と比べるとまだ少なく、業種や職種によっては配信量が限られます。配信前に配信対象の人数を確認してください。

LinkedIn広告でリードを獲得できますか?

できます。リード獲得フォームを使うと、広告をクリックした人のプロフィール情報がフォームに自動入力されるため、少ない手間で申し込んでもらえます。

まとめ

LinkedIn広告は、企業名や役職で配信先を絞れるため、狙う企業を決めて働きかけるABMと相性のよい広告です。会社リストの条件や日本での利用者数を踏まえ、Tier B・Cの企業リストへの配信から試すと始めやすくなります。ABMの進め方から整理したい場合は、無料相談もご利用いただけます。

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田
田崎 龍里(株式会社Rule 代表取締役)
株式会社Rule 代表取締役。BtoBマーケティング支援会社のターゲットメディア社、データ活用コンサル支援会社のインキュデータ社を経て、2025年4月にRuleを設立。IT・SaaS・製造業を中心に50社以上のBtoBマーケティングを支援しています。